TOMOYASの 磨き・ 輝きの魅力
TOMOYASの作品は、ゴールドやプラチナなど金属の面が大部分を占めます。その金属面には、繊細に、時に力強い光の輝きと、しっとりと穏やかに磨かれていないマットな部分が、絵を描くように表現されています。
TOMOYASの特徴であるミツローの表情がそのまま映し出された鋳肌を最大限に生かすことと、独自の金色を出す加工を施すため、TOMOYASでは研磨材などで金属の表面を削らずに、ヘラにより磨きを入れることで繊細な光が描かれ、作品に輝きが生まれます。
通常、金属の加工はバフやバレル研磨機など機械を使用して金属の表面を整えます。研磨することで表面に光沢が出ます。「マット仕上げ」をする際は、光沢の出た表面に改めて「ツヤ消し」の加工を行うのが一般的です。
手作業で磨くことで力の強弱が自在になり、柔らかな光、力強い輝き、グラデーションなど思い通りの輝きを入れることができ、ミツローから生みだされた美しいヒキメのライン1本1本に入れる光、花びらの凹凸を活かす繊細な磨きを行えます。
手を使い、ヘラでしごくように磨くと金属の表面に圧力がかかり、表面をより硬く、強く絞める効果が出ます。また、圧力をかけることで凸凹の面にローラーをかけるようなイメージで、平らできれいな鏡面を出すこともできます。
自在の輝きを生み出すヘラ磨きですが、手間と時間がとてもかかります。
広く大きな面をヘラで磨くと「ヘラ目」という細かい線や筋が出ることがあり、一律均等な力で広い面を磨くためには熟練の技術を必要とします。
フィギュリーンやゾディ(動物たち)には動きや息づかいが伝わってきそうなイメージで躍動的な輝きを入れ、おおらかな花のモチーフには日の光に向かって伸びやかに咲いているかのように、情景を想い浮かべながら磨きを入れていきます。
どの作品も、TOMOYAS熟練の職人たち一人一人が、作家と作品づくりのすべての工程で、時間をかけて世界観や形について対話し、理解し、共感して作品に磨きが入れられ、美しい輝きや新鮮な光が表現されています。
じっくりと作品に向き合う、作家と卓越した職人の手によるヘラ磨きでTOMOYAS作品の輝きが生みだされています。
ヘラは金やプラチナよりも硬い、超硬質合金・鋼などの金属製。磨く部分に合わせてヘラ先の形状の違うものを使用します。ヘラ部分に傷があると美しい鏡面が出せません。ヘラの扱いにも注意を払い手入れをします。